人気ゲーム「戦国無双」などで特許権を侵害されたとして、ゲームソフト大手「カプコン」(大阪市)が約9億8千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、知財高裁(鶴岡稔彦裁判長)は11日、一審・大阪地裁判決を変更して侵害の範囲をより広く認め、販売元の「コーエーテクモゲームス」(横浜市)に約1億4400万円の賠償を命じた。
コーエー側によると、控訴審で新たに特許権の侵害と認定されたのは、ゲーム機にシリーズ前作のソフトを読み込ませた上で続編を読み込ませれば、ストーリーが増える機能。「戦国無双3 猛将伝」「真・三國無双3 猛将伝」など6タイトルが対象になった。
一審判決は、ホラーゲーム「零」でコントローラーが振動する技術について侵害を認め、517万円の賠償を命令。だが、ストーリーが増える機能は侵害を認めなかった。知財高裁は、カプコンの技術はデータのセーブ(保存)が不要な点で過去の技術とは違うと判断し、侵害を認めた。
いずれの機能・技術も2014年に出願から20年を迎え、特許の期限は切れているため、販売中止などの影響はないとみられる。カプコンは「判決の精査はまだだが、おおむね満足いく判決」。コーエーは「主張が認められなかった点は甚だ遺憾」とコメントした。(新屋絵理)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル